今回はアガベの梅雨の管理方法ついて解説します。
乾燥地帯に自生し、日照を好むアガベ
梅雨はどんなことに気をつければ良いのでしょうか?
・アガベの梅雨の管理方法が知りたい
・梅雨は徒長が心配・・・
・雨ざらしでも大丈夫なの?
今回はこんな疑問・不安に答えていきます。
わたしはアガベを中心に様々な植物育成しています。
育成についての質問などもお答えしていますので、
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自生地と日本の気候の違い
アガベはメキシコを中心としたアメリカ大陸全体に分布しています。
チタノタやオテロイの産地
メキシコ南西部のオアハカ(Oaxaca)の気候
平均気温は暑い時期は最高気温30℃、最低気温16℃
最も寒い時期では最高気温26℃、最低気温9℃
日本に比べて、年間を通じて乾燥気味で暖かい気候。
5月〜10月に雨季に入り降水量も増えます。
調べていて意外と雨も降るんだなぁと
ちなみに東京はこんな感じ
6月ころからどんどん蒸し暑くなります。
降水量はそこまで変わりませんが湿度が高いです。
2つの気候と比較すると
日本の梅雨~夏の蒸し暑さは
アガベにとっては良い環境とは言えないでしょう。
これらをふまえて梅雨の管理方法について解説していきます。
アガベ 梅雨の注意点
梅雨の注意点をまとめるとこんな感じ
・徒長
・根腐れ
・蒸れ
・葉焼け
・病気(炭疽病)
・害虫(アザミウマ、カイガラムシ類)
・胴切り、縦割り
詳しくみていきましょう。
徒長
梅雨は雨やくもりが多く、日照時間が短いため徒長しやすいです。
湿度が高く、用土も乾きにくい。
○徒長とは・・・
植物の葉が延びしてしまうこと。
日照不足や水のやりすぎで生じる。
徒長によりかっこいい植物の見た目も悪くなってしまう。
アガベにとっては
“日は足りないけど、水はたくさんある”
といった状態です。
きれいな形を維持するためにも
水やり頻度を下げるなどの対策をしましょう。
対策
・雨に当たらない置場(日当りは良い方がいい)
・水やり頻度を下げる
根腐れ
長雨が続き、用土内が乾燥しにくいため
根腐れにも注意が必要です。
○根腐れとは…
水のやりすぎや水はけが悪くなることで、
水分量が増え根が痛むこと。
植物の根も呼吸しているので
用土内の水分量が多い状態が続くことで酸欠になり、
根腐れを起こします。
対策
・雨の当たらない置場
・風通しの良い置場
・水はけの良い用土、鉢
・水やり頻度を下げる
用土や鉢ついての記事こちら
蒸れ
根腐れもその一つですが蒸れには注意が必要です。
日本の蒸し暑さはアガベにとっては苦手な気候
特に昼間は気温も上昇し、蒸れやすい
根だけでなく、葉が痛むことも…
水やりの時間帯や置き場を工夫しましょう。
対策
・朝、夕方など涼しい時間帯に水やり
・風通しの良い置場
・サーキュレータなどの使用
葉焼け
6月ごろから最高気温も30℃以上に上昇
日差しも強くなり始めるので
葉焼けに注意が必要です。
葉焼けとは…
強い日光で、葉の表面温度が上昇して痛むこと。
焼けた部分は褐色になったり、白く色が抜けたようになります。
特に子株や斑入りは葉焼けしやすいです。
遮光ネットで20~30%程度遮光したり、
空気の循環させることも葉焼け対策になります。
対策
・遮光ネットの使用
・風通しの良い置場
・サーキュレーターの使用
葉焼けについての詳しい記事はこちら
病気(炭疽病)
梅雨は過湿によって菌が繁殖しやすいです。
アガベで特に気をつけてもらいたいのが炭疽病
炭疽病とは…
発病すると褐色に病斑が出るカビ。
進行すると葉が痛み、生育不良になる。
風通しが悪く、湿度が高いと発生しやすい。
風や雨によってカビの胞子が伝染する。
周囲の株に伝染する可能性もあるため
見つけ次第、発病した葉を取り除いたり、
殺菌後に他の株から離して管理しましょう。
梅雨前の殺菌も大切!
対策
・定期的な殺菌
・株の観察
・風通しの良い置場
害虫(アザミウマ、カイガラムシ類)
気温の上昇に伴って、害虫も活発になります。
アガベでは特にアザミウマやカイガラムシに注意が必要です。
アザミウマとは…
アザミウマ(別名:スリップス)は体長1~2mm程の微小害虫。
口の器官で植物に穴を空けて吸汁する。
被害をうけると吸汁による被害痕、生育不良、ウィルス媒介による病気の伝染などが生じる。
4月〜10月に発生しやすい。
カイガラムシとは…
葉や枝に固着して、吸汁する害虫。
吸汁によって植物が弱り、虫の排泄物によってすす病が発生することも。
見つけたら殺虫したり、歯ブラシで軽くこするなどして取り除く。
対策
・定期的な殺虫
・株の観察
・風通しの良い置場
病気・害虫対策についての詳しい記事はこちら
胴切り、縦割り
梅雨に胴切りや縦割りを行う際は注意が必要です。
梅雨は湿度が高く、傷口が乾きにくいです。
腐りにつながることもあるので、適期ではありません。
行う場合、晴れが続く日をねらって行いましょう。
胴切りについての詳しい記事はこちら
雨ざらしでも大丈夫?
梅雨の間に雨ざらしにして
枯れるということは考えにくいですが
不安な方は雨に当てないようにしましょう。
特に大株や形を崩したくない株については
雨ざらしは避けたほうがよいでしょう。
軒下に置いたり、簡単な雨除けなど作っても良いです。
※ただし室内に取り込む場合は徒長に注意
夏は太陽の位置も高くなるので、
室内には日が入りにくくなります。
室内に取り込む場合は
日当りの良い窓際に置いたり、
植物育成ライトでの補光をおすすめします。
一方で雨ざらしでも
環境によっては全然平気
ということもあります。
わたしは雨ざらしでも日当り、風通しの良い場所なら
そこまで一気に調子を崩すということもないのかな?
と考えています。
むしろ根張りがあまい株や実生など早く大きくしたい株は
雨ざらしにすることもあります。
株の状態や作りたい形によって
雨を活用したり、対策をしたりして
梅雨を乗り切りましょう。
それでは良いAgaveLifeを!