今回はアガベの胴切りについて解説をしていきます。
・失敗したらどうしよう…
・どのくらいのサイズからできるの?
・ナイフ?ワイヤー?どれを使ったらいいの?
今回はこんな疑問に答えていければと思います。
本記事の内容
・胴切りとは
・胴切りの適期
・胴切りできるサイズは?
・【サイズより重要】失敗しないためのポイント
・ワイヤーのメリット・デメリット
・胴切り(ワイヤー)のやり方を写真・動画で解説
・胴切り後の管理方法
※以前こちらの記事で刃物でアガベの胴切りを行いました。
今回はワイヤーを使った方法についてご紹介します。
わたしはアガベを中心に様々な植物を約4年間育成しています。
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※今回のやり方はあくまでわたしのやり方です。
行う際には自己責任でお願いします。
胴切りとは
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胴切りはアガベを中心部から切り、
強制的に子株を出させたり、
下葉が傷んだ株を仕立て直す目的でおこなわれます。
中心部の成長点を失った地上部(上側)は
葉の間にある成長点が動き出して子株を出します。
植物強い生命力を生かした増やし方です。
胴切りの適期
日本におけるアガベの生育期である3月〜10月まで行えます。
しかし、胴切りした天部分(上側)の発根管理や
梅雨は蒸れで傷口が乾きにくなどを考慮すると
初心者の方には3〜5月頃がおすすめ。
胴切りできるサイズは?
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-02-28-21-26-31.jpg)
このサイズからできる!というのはありませんが、
子株を出させたい場合、ある程度の大きい方が失敗しにくいと思います。
ワイヤーの場合、大株ほど力が必要になりますので
4~5号鉢サイズくらいからやってみると安心かと思います。
わたしは大株は刃物、子~中株葉ワイヤーと使い分けています。
【サイズよりも重要】失敗しないためのポイント
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-04-05-23-43-57.jpg)
サイズよりも重要なポイントが3つあります。
・根がしっかり張っている
・サイズよりも葉数
・子株が出ている株
根がしっかり張っている
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/01/2022-01-21-25.jpg)
根がしっかりと張っていることは重要です。
ただでさえ地上部がぶった切られているのに
根から吸水(栄養補給)もできないとなると、
体力も尽きてそのまま枯れてしまう可能性があります。
サイズよりも葉数
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-04-05-23-52-29.jpg)
サイズもある程度必要ですが、
それよりも葉数が重要です。
胴切り後は葉と葉の間の成長点から子株が出るので、
できるだけ葉数は多い方が良いでしょう。
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-01-05-22-05-55.jpg)
葉が残っていると光合成にも有利なので
できるだけ下葉を残すようにしています。
子株が出ている株
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/01/2022-01-21-00-42-36.jpg)
これはあくまで経験上なのですが、
胴切り前から子株が出ている株の方が
胴切り後も子株が出やすいように感じます。
子株が出てるってことはそれだけ株も充実しているからですかね?
ワイヤーのメリット・デメリット
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-03-21-21-58-48.jpg)
ワイヤーで行うメリット・デメリットを解説します。
ワイヤーのメリット
・葉を傷つけにくい
・下側の葉が残せる
・天(上側)の下葉が残せる
・葉を傷つけにくい
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2021-12-11-23-41-35.jpg)
ワイヤーのほうが刃物よりも、
葉を傷つけるリスクは少ないです。
そのため傷口からの病気や腐りのリスクを減らすことができます。
・地上部(下側)の葉が残せる
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2021-12-11-23-42-50.jpg)
ワイヤーの方が下葉を傷つけることなく残しやすいです。
子株は葉と葉の間にある成長点から出るので、
下葉は多く残した方が良いです。
上すぎると生長点が残ってしまい、
天(上側)がダメになってしまうので注意。
下葉がなくても子吹くことはあるようですが、
葉があった方が光合成も出来て良いと考えています。
・天(上側)の下葉が残せる
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2021-12-11-23-43-05.jpg)
胴切りした天部分は発根に時間がかかることが多いので、
発根管理が長引くと下葉から枯れてきます。
そのため天(上側)も葉数を残せると、
その後の発根管理がしやすくなると思います。
ちなみにですが
こちらの胴切り天(上側)は発根までに約半年かかりました。
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/01/2022-01-11-23-20-14.jpg)
ご覧の通りどんどん小さくなってます。笑
ワイヤーのデメリット
・大株になると力が必要
・ワイヤーが切れて失敗することもある
大株になると力が必要
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/BO151030535008_TP_V4.jpg)
いや、ここまでは必要ないです笑
でも大株になると中心部の径も大きくなるので、けっこう力がいります。
大株の場合は2人がかりで行なったり、
あるいは刃物の方が楽かもしれません。
ワイヤーが切れて失敗することもある
ワイヤーの太さによっては切れてしまう可能性があります。
ワイヤーでは難しいと判断した場合は刃物を使用しましょう。
胴切り(ワイヤー)のやり方を写真・動画で解説
ここからはワイヤーでの胴切りのやり方を解説します。
用意するもの
・アガベ
・ワイヤー(太さ0.45mm)
・ハサミ
・手袋
・ダコニール粉剤
・株を固定するもの
今回胴切りする株はこちら
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-03-13-16-44-44.jpg)
ワイヤーの太さは0.45mmのものを使用しています。
太すぎると切れ味が下がり、細いと切れやすいです。
例えばこんなものですが
ホームセンターなどに売っている切り売りのもので良いと思います。
長さは株によって違いますが長めがおすすめ。
手袋はケガ防止のためには必須です。
切創、切断に強い作業用手袋をおすすめします。
傷口の消毒には今回はダコニール粉剤を使用します。
株を固定できるものがあるとやりやすいです。
胴切りの手順
①ワイヤーを殺菌
②株を固定する
③切る場所を決める
④ワイヤーを通す
⑤ワイヤーを引く
⑥下葉の処理
⑦傷口の殺菌、乾燥
①ワイヤーを殺菌
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/KAZDSCF2587_TP_V4.jpg)
ワイヤーを火であぶって殺菌しておきます。
病気の伝染にもつながるため
株ごとに道具は殺菌するようにしましょう。
②胴切りする位置を決める
切る位置を決めます。
胴切りは株から成長点を切り離すことが目的ですので、
成長点が残らない、かつ下葉もある程度残せる所を狙います。
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-03-21-21-57-20.jpg)
この株ではあたりを狙います。
成長点が残ってしまうと胴切りではなく
たけのこ切りという手法になってしまいます。
たけのこ切りとは・・・
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-04-16-19.jpg)
成長点よりも上を切って株をリセットする方法
成長点が残っているため、そのまま中心部から新しい葉が展開してくる。
③ワイヤーを通す
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-03-21-21-59-41.jpg)
先ほど決めたラインにワイヤーを通します。
葉と葉の間にしっかり通っているか確認しましょう。
④株を固定する
切る場所を決めたら、倒れないように固定します。
ポット用トレーに固定したり、
二人がかりで行う方がやりやすいです。
わたしはもちろん1人でやるので
足の間に挟んでます。笑
⑤ワイヤーを引く
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-03-21-22-01-15.jpg)
ワイヤーを引いて切断します。
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引くときのポイントはまっすぐ引くこと。
斜めや下向きに引いてしまうと下葉を傷つける原因になります。
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-03-21-22-07-47.jpg)
きれいにできました。
⑥下葉の処理
傷ついた下葉を処理します。
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-03-21-24.jpg)
今回きれいにできたので
地上部(下側)の葉はとくに処理しません。
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-03-21-25.jpg)
天部分(上側)は今後の発根管理のために、
成長核が露出するように下葉を取り除きます。
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-03-21-23.jpg)
⑦傷口の殺菌、乾燥
傷口から腐りや病気にならないように殺菌、乾燥します。
今回はダコニール粉剤を傷口にまぶしておきます。
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-03-21-22-11-41.jpg)
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-03-21-22-12-44.jpg)
その後は風通し良い日陰でよく乾燥させます。
胴切り後の管理方法
傷口が完全に乾くまでは風通しの良い場所に置き、
雨に当たらないようにしましょう。
地上部(上側)の管理
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-03-21-22-15-17.jpg)
明るい日陰で管理します。
水やりは傷口部分が濡れないように、
鉢底から給水します。
生育期で、風通しの良い場所なら腰水管理でも良いと思います。
天部分(上側)の管理
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-03-21-22-14-59.jpg)
傷口が完全に乾いたら発根管理に移ります。
天の発根は時間がかかることもありますが、
発根管理については基本的には他の株と同じです。
胴切りから数週間・・・
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-04-14-17-05-33.jpg)
胴切り後しばらくするとこのように葉の間から子株が出てきます。
すぐに子株が出なくても、葉が枯れてくる様子がなければ生きているので、
焦らず気長に待ちましょう。
胴切りからでた子株の収穫についてはこちら
まとめ
![](https://kaijupapalife63.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-02-25-22-21-39.jpg)
アガベはとても生命力の強い植物です。
今回ご紹介したポイントに気をつけて行えば、
失敗しにくいかと思います。
株を増やして、仲間とトレードしたりするのも園芸の楽しみですよね。
みなさんもぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
※今回のやり方はあくまでわたしのやり方ですので
行う際には自己責任でお願いします。