今回は以前から気になっていた
3Dプリンター鉢 GRIDPOTのレビューです。
以前アガベの鉢選びについての記事を書いたときに、
3Dプリンターで作られた鉢についても少し触れました。
様々な立体造形を作ることができる3Dプリンター
昨今の園芸ブームにより、3Dプリンターで作られた鉢が注目を集めています。
その人気は高まってきており、東急ハンズで特設コーナーが設けられるほど。
【目指すは聖地!東急ハンズ渋谷店が「3Dプリント植木鉢」を売り始めた理由】
実際に東急ハンズでも販売されているGRIDPOT
今回は製作者@greenmountainjp様より
商品を提供していただきましたので、
さっそくみていきたいと思います!
GRIDPOTとは
GRIDPOTは
”スリット鉢の次の鉢”
をコンセプトに設計された3Dプリント製の高機能プラスチック鉢
特徴は
・鉢内の水分が均一になるようシミュレーションを重ねて設計されたスリット。余分な水分の停滞と結露による根のサークリングを防ぐ
・内壁につけられた仕切り板が根を底部のスリットまで誘導し、新しい根の形成を促進
・一般的なスリット鉢と同じ管理が可能
・環境に配慮された植物由来のプラスチック素材(PLA)を使用
・都市部でも使いやすいサイズラインナップ(3.5号、4.5号)
・ メンテナンスに配慮したコンパクトなリム(持ち手)付き
”排水性、保水性、根の生長がベストバランスになるよう検討を重ね、植物の健全な育成のために鉢はどうあるべきかを考え抜いて設計”
とまあ植物に良いことだらけです!
アガベに使われる鉢や用土というのは
基本的には水はけがよいものが使用されます。
実際に育成をしていく中で、排水と保水のバランスはわたしも大切だと感じています。
特に子株の育成においては適度な保水性も重要です。
使用している用土や環境との相性もあるので、
実際に育成してみた感想も記事にしていきたいです。
スペック
基本的なスペックは以下の通り
製作者である@greenmountainさんは
もともと兼弥産業のスリット鉢を愛用していたそうで、
基本的な形状は似ています。
外観
まずは外観
まず手に取って感じたのは
「とにかくデザインがかっこいい!」
デザイナーとしても活躍されている@greenmountainさん。
シンプルなパターンデザインの中に、
育成にも良いとされるスリット機能がしっかりと落とし込まれています。
マットな質感もプラスチック製とは思えない高級感。
素材
素材はPLA(ポリ乳酸)というもので3Dプリンターでは一般的な素材のようです。
PLA(ポリ乳酸)とは・・・
植物由来の樹脂をベースとして開発された3Dプリンター用材料
安価で印刷時の安定性が高い。
耐熱性は60℃で、硬いため曲げ強度が低いという特徴もある。
耐久性、耐熱性については懸念点がありますが、
製作者の@greenmountainさんが
実際に雨ざらしで長期間使用しても問題はなかったとのこと。
価格
価格は3.5号鉢で2800円
一般的なプラ鉢より価格は上がるが、陶器鉢よりも手は出しやすい。
わたしは陶器鉢は値段も高く、育成や管理の面においてもデメリットを感じることも多いためプラ鉢を多用しています。
プラ鉢は管理はしやすいですが、
「鉢と一緒に仕立ても楽しみたい」
となるとどうもデザイン性に欠けるところがあります。
このGRIDPOTは機能性・デザイン性
どちらも諦めたくない方にはおすすめの鉢といえます。
機能面
そもそもアガベの鉢に求める機能とは何なのか?
この記事でも解説をしましたが、簡単にまとめると
①通気性:スリットまたは大きめの鉢底穴
②鉢のサイズ:やや小さめ・縦長
③形状:シンプルで並べやすい・持ち手がある
※あくまでもわたしの意見です。
この中で育成に特に重要なのは
通気性と縦長の鉢というところ
実はこのGRIDPOTは私が考えるポイントをすべて抑えてるんですよね。笑
実際に従来のスリット鉢と比較をしてみましょう。
スリット形状
従来のスリット鉢では底面のみにスリットが入っているのに対し、
GRIDPOTは側面にもスリットが入っています。
側面に入ることで通気性も高まります。
スリット幅はGRIDPOTの方が狭く、
軽石の小粒でもこぼれる心配はありません。
底面のスリットについては根のサークリングを防止し、
分岐を促すという機能があります。
側面のスリットが根張りにどのように影響してくるのか気になるところ。
次に内面
2つとも内部に角となる面を設けており、
根を底面に誘導する仕組みになっています。
通気性比較
実際に通気性を比べてみます。
同じ量の赤玉土を鉢に入れて、乾く速度を比較します。
2つの鉢に普段使用している用土300gを入れ
その後両方とも微塵が出なくなるまで灌水
灌水後の重さ
・兼弥スリット鉢 418.5g
・GRIDPOT 491.9g
同じ環境に2日放置して、用土の乾き具合を比較します。
○2日後
2日経過し、重さを計測
・スリット鉢 373.2g(-45.3g)
・GRIDPOT 450.0g(-41.9g)
結果としては2日では若干スリット鉢の方がマイナス割合が高かったですが、
通気性はほとんど同じと言ってよいでしょう。
もしかしたら
GRIDPOTは排水性、保水性、根の生長がベストバランスになるように設計されているので、
若干の保水性も意識しているのかな?という印象。
※補足
問い合わせてみたところ、
保水性(=保肥性)を意識されているとのこと。
乾くスピードは従来のスリット鉢と同程度ですが、
全体が均等に乾いていくスリット配置になっているとのことでした。
もう少し長期的な実験をしたら、
用土内の乾き方に差があったかもしれませんね。
使用の際にはこれら結果を考慮して
用土配合も考えていきたいと思います。
リム(持ち手)
以前鉢選びの記事にも書いたのですが
持ち手は意外に重要です。
持ち手がないと鉢ごと落下してしまうなんてことも…
メンテナンス性を高めるためには「持ちやすさ」もポイントのひとつです
GRIDPOTの持ち手は大きくはないですが
引っかかりやすく、フィット感が強いです。
私が愛用しているFRシリーズよりはでっぱりは少ないですが、
その分かさばらないのが良い。
まとめ
GRIDPOTはデザイン性・機能性に優れたプラスチック鉢だと思います。
今後、使用の際に気になるポイントは
・素材の耐久性・耐熱性
・排水性・保水性のバランス
・スリットや内面の形状による根の張り方
このあたりに注目しながら使用していきたいと思います。
今後、実際に育成をしてみた感想を記事に書きますので
みなさんもぜひ使っていただき、感想やご意見ををお聞かせください!
良いAgave lifeを!
○製作者の@greenmountainさんInstagram
わたしはアガベを中心に様々な植物を約4年間育成しています。
Instagramにて育てている株の写真や初心者の方からの質問等も受け付けていますので、
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