アガベにとって厳しい日本の冬
初心者の方はアガベの冬越しに不安を持たれている方も多いのではないでしょうか。
せっかく手に入れたアガベを冬に枯らしていまったっという方もいるかと思います。
「冬越しってどう管理したらいいんだろう?」
「屋外でも大丈夫なのかな?」
「寒さに強いアガベもあるのかな?」
わたしはアガベを中心に様々な植物を約4年間育成しています。
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今回は初心者の方にもできるだけ分かりやすく、アガベの冬越しについて解説します。
本記事でわかること
・アガベの冬越しにおける管理方法
・冬越しの注意点
・寒さに強いアガベの品種
冬越しに失敗すると、どうなるのか?
まず冬越しに失敗するとどうなるのか?という話ですが…
冬越しの失敗例
・霜が当たる→冷害で葉がブヨブヨに→最悪枯れる
・日照不足→徒長する
・春先の動き悪くなる→成長期なのに上手く育たない
などのことがあげられます。
アガベは寒さにも比較的強い植物です。
ですが少しのミスでせっかくきれいに育ていた株が悪くなってしまったり、
最悪枯れてしまう可能性もあります。
また冬に状態が悪くなることで、春先の成長にも影響してきます。
しっかりと対策をして、良い状態で春を迎えられるようにしましょう!
冬越しの管理方法
ここからは冬越しの管理について詳しく解説をしていきます。
管理のポイントは大きく4つ
・置き場所
・温度
・水やり
・日当たり
1つずつ見ていきましょう。
置き場所
・加温できる温室があれば最高(そんなん普通ない。)
・室内が無難
・雨や雪が当たらない軒下
アガベの冬越しでもっと避けたいのが 霜に当てること です。
霜による冷害では葉が悪くなったり、成長点(株の中心部)まで冷害が及ぶと最悪枯れます。
とにかく霜が当たらない場所に置きましょう。
霜を当てないようにするには室内が無難です。
難しい場合は雨や雪が当たらない軒下で管理しましょう。
雪が当たればもちろん凍結しますし、雨に関しては体感温度も下がります。
冬にビショビショに濡れたTシャツを着ていたら、乾いたTシャツよりも寒いですよね?
そんなイメージです。
この後お話しますが、冬は夜の水やりを避けたほうがいいのは同じ理由です。
室内に取り込む気温
室内への取り込みは以下の温度を基準にしましょう。
・最低気温5℃以下
・最高気温10℃以下
最低気温が5℃、または最低気温が10℃を下回ったら室内へ取り込みます。
5℃以下になってもすぐに枯れてしまうということは考えにくいですが、取り込むのが無難です。
特に小さな株ほど体力も少ないので優先的に取り込むことをおすすめします。
アガベは塊根植物とは違って休眠期はありませんが、一般的に10℃を下回ると成長も止まります。
※逆を言えば10℃あれば成長してしまいます。
室内で10℃以上で管理する場合は日照不足で徒長する可能性もあると言うことです。
冬の水やり
・断水気味に管理(目安は月に1回程度)
・水やりは鉢底を少し湿らせる or 用土の表面を湿らせる程度
・タイミングは晴れが続く日の朝~昼間
冬の水やりについては断水気味に管理します。
完全断水でも可能ですが、根がダメになってしまうと春先の成長が鈍ることもあります。
根を生かしていくためにも月1回程度軽く水やりをします。
水やりの仕方については鉢底を水に少しつけるやり方がおすすめです。
わたしは晴れが続く日の朝方を狙って行なっています。
夜から明け方は特に冷えるので夜の水やりは控えましょう。
※小さな株や徒長は気にせず成長を優先したい株については、通常の水やりの仕方でも良いかと思います。
日当たり
夏でも冬でも日当たりは良い方がいいに越したことがないです。
室内管理の場合日当たりが悪くなりやすいので、日照不足に注意しましょう。
10℃以上あればアガベは成長してしまいますので、日照不足の場合は徒長してしまいます。
最高気温を10度以上あるのであれば、日中は屋外や軒下に出しても良いかと思います。
室内管理で日照不足を解消するためには植物育成ライトを使用するのもおすすめです!
冬越しの注意点
ここからは冬越しでの注意点についてお話します。
冷害
先ほどからお伝えしていますが、冬越しで最も注意するのは霜による冷害です。
霜や雪によって葉の水分が凍結することで、冷害が起こります。
1度凍った水分が解凍され葉がブヨブヨになります。
冷害は成長点(葉の中心部の核)にまでおよぶとアガベは枯れてしまいます。
徒長
徒長とは植物が日照不足となることで、葉や茎が光を求めて間伸びしてしまうことです。
特に冬場は日照時間も短くなりますし、室内に取り込むことでさらに日照不足となります。
アガベは日照要求の強い植物ですから、【日照不足+水のやりすぎ】で容易に徒長します。
徒長を防止するためにも、水やりの調整や日当たりに注意が必要です。
また室内で日照不足を感じる方は植物育成ライトの使用もおすすめです。
ちなみに植物育成ライトだけでもアガベの育成は可能です。
簡易温室の使い方
このような簡易温室を使用している方も多いのではないでしょうか?
簡易温室を使う場合は昼間の温度上昇、夜~朝方かけての冷え込みに注意が必要です。
簡易温室は日中、日が当たると温室の温度が急激に上がります。
冬の管理で水やりを控えている場合は葉焼けを起こす可能性が高くなりますので注意が必要です。
一方夜間については寒いからと言って、簡易温室を閉め切ってしまうのはNG!
空気の流れが滞り、余計に温度が下がってしまうことがあります。
明け方車の中がめっちゃ冷えている時ありますよね?
同じことが温室内でも起こります。
簡易温室を使用する場合は
・日中は開けておく
・夜間は完全には閉め切らず、少しだけ外の空気が少し入るようにしておく
簡易温室は雨、雪、霜が防げてメリットもありますが、使い方に気をつけましょう。
温度計を使用し最高、最低気温を把握しておくと安心です。
アガベの耐寒性一覧
アガベは比較的寒さに強いですが、品種によって耐寒性は異なります。
今回はメジャーな品種の耐寒性を一覧にしてみました。
※栽培環境によってはその温度まで絶対に耐えられるとは限りません。
耐寒温度はあくまで目安に考えてください。
品種名 | 耐寒温度(℃) |
アメリカーナ | ー8 |
アテヌアータ | 0 |
イシスメンシス | 0 |
オテロイ | 0 |
オバティフォリア | ー15 |
キシロナカンサ | ー7 |
グアダラハラナ | ー4 |
グイエンゴーラ | 4 |
コロラータ | ー8 |
五色万代 | ー12 |
笹の雪 | ー7 |
サルミアナ | ー15 |
ジプソフィラ | 0 |
ジェントリー | ー4〜0 |
ジェントリージョーズ | ー12 |
帝釈天 | 0 |
チタノタ | 0 |
パラサナ | ー9 |
パリー | ー7 |
パリートルンカータ | ー10 |
パルメリー | ー12 |
フィリフェラ | ー8 |
ボビコルヌータ | ー4〜0 |
ポタトラム(雷神) | 0 |
ホリダ | 0 |
マクロアカンサ | 0 |
モンタナ | ー18 |
ユタエンシス | ー18 |
参考:アガベサイト
アメリカーナやパリー系統はやっぱり強くて、地植えにも向いてますよね。
ユタエンシス系も高山地帯のアガベなので耐寒性はとっても強いことがわかります。
チタノタ、イシスメンシス、ホリダ、ポタトラムなどの人気の系統は0℃とそんなに強くはないので、
やはり室内管理などの対策をしておくのが安心ですね。
アガベの耐寒性についてはこちら記事もたいへん参考になりました。
さらに詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
金成コーデックスさん掲載許可をいただきまして、ありがとうございます!
まとめ
最後にアガベの冬越しのポイントをまとめました。
・冬越しでは霜による冷害に注意
・置き場は日当たりの良い室内
・室内が難しければ雨、霜が当たらない軒下
・最低気温5℃以下、最高気温10℃以下で、小さい株から室内へ取り込む
・水やりは用土を軽く湿らせるくらいに月1回程度
・室内管理は徒長に注意
今回ご紹介したポイントはあくまで目安です。
どんな植物もよく観察することが1番。
成長具合や葉の色やシワなどよく観察をしながら、対応していくことが大切です。
アガベの冬越しは心配なことが多いですが、きちんと対策をすれば大丈夫!
冬は成長させるのではなく、耐え抜く時期です。
冬本番の前にしっかりと準備をして、春先に良いスタートを切れるようにしましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは、良いAgave Lifeを!
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